意思決定の理論と技法

・価値判断については、価値判断基準(単数ないし複数)を明確にし、価値判断基準のトレードオフに関する判断を行うのは意思決定者の責任である、ということを強調したい。この判断は次のような手順で行われる。まず成し遂げたいことのリスト(ウィッシュ・リスト)を見ながら、意思決定者として自らの(あるいは自分たちの)価値判断基準を見極める。次に見極めた価値判断基準に基づいて、それぞれの選択肢の結果がどうなるかを測定する。価値判断基準が複数あれば、この作業を全価値判断基準について行う。ある選択肢がすべての価値判断基準を最大(適)化すれば何も問題はないが、そうでない場合は、複数の代替案につき、複数の価値判断基準がどうなるかを明確にしたうえで、意思決定者としての最終的な価値のトレードオフの判断を行う。

・良い意思決定とは、「自分・会社の持つ価値判断基準、未来に関する情報とその判断、経営資源の制約や会社が保有するスキルに照らして、最も良い結果が得られる確率を高める、納得性・論理性の高い意思決定」である。

 

意思決定の理論と技法―未来の可能性を最大化する

意思決定の理論と技法―未来の可能性を最大化する